集団的自衛権を有するトルコへ ロシア軍機撃墜の報復は難しい!
2015年11月24日に、トルコ軍が“領空を侵犯した”としてロシア軍のSu24戦闘爆撃機1機を撃墜しました。
この報復?かもしれませんが、11月25日に救援物資を輸送していたトルコの車両が、トルコとの国境に近いシリア北西部の町で、ロシア軍と思われる軍機から空襲を受け運転手など7人が死亡、10人が負傷したと報じています。
これによって、両国が軍事衝突する可能性も考えられます。
ただし、トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国。 もし、ロシアが2014年に軍事介入した非加盟国のウクライナのように、トルコに向けて本格的な攻撃を仕掛けると、集団的自衛権を有するNATO、つまり欧米諸国との武力衝突に発展する可能性がある。
ウクライナは個別的自衛権の国、トルコは集団的自衛権の国。このため、ロシアは、トルコに簡単に手出しできません。攻撃するにしても、ロシアはシリアの領空から、散発的に威嚇や小規模な攻撃を仕掛けるしか出来ないかもしれません。
日本も今年、集団的自衛権の行使を含む安保法案が可決されましたが、中国とこのような事態になった場合を考えると、やはりこの法案が可決されたことがメリットが改めて感じさせられます。
北大西洋条約機構(NATO)とは
北大西洋条約機構(NATO:North Atlantic Treaty Organization)は「集団防衛」,「危機管理」及び「協調的安全保障」の三つを中核的任務としており,加盟国の領土及び国民を防衛することが最大の責務です。加盟国一覧(加盟順)
アイスランド,アメリカ合衆国,イタリア,英国,オランダ,カナダ,デンマーク,ノルウェー,フランス,ベルギー,ポルトガル,ルクセンブルク(以上原加盟国),ギリシャ,トルコ(以上1952年2月),ドイツ(1955年5月当時「西ドイツ」),スペイン(1982年5月),チェコ,ハンガリー,ポーランド(以上1999年3月),エストニア,スロバキア,スロベニア,ブルガリア,ラトビア,リトアニア,ルーマニア(以上2004年3月),アルバニア,クロアチア(以上2009年4月)(全28か国)
(出典:外務省)