新国立競技場デザイン 投票結果でA案610点, B案602点
一度は白紙となった、2020年の東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設で、二つの建設業者グループ(大成建設グループ、竹中工務店・清水建設・大林組のグループ)が提案した設計・施工案のうち、「木と緑のスタジアム」を主なコンセプトにしたA案に、優先交渉権者の選定をしたと、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が発表した。
決定したA案は建築家の隈研吾氏と梓設計、大成建設のグループで総工費約1490億円、工期は19年11月完成を予定。
技術提案等審査委員会の審査結果(委員7人による)も公表され、A案は業務の実施方針、工期短縮の面でB案(竹中工務店、清水建設、大林組と建築家の伊東豊雄氏のグループ)を圧倒。B案は維持管理費の抑制や、構造・建築計画においてA案を上回ったが、最終的にはA案610点、B案602点で、A案を選定することになった。
「A案」は、「杜のスタジアム」と題し”木”を取り入れた周辺環境と調和するスタジアム。木材と鉄骨のハイブリッド構造の屋根となっており、最高50mと低く設定することで、水平的なラインが強調されたデザインに仕上げた。地域の風の分析して生み出されるスタジアム内の適切な風環境や、外苑の杜へとつながる緑など、土地の風土にあった設計にも焦点が当てられている。
「A案」競技場の主なポイント
総工費 :約1490億円
収容人数:最大80014人
高さ :49.2m
階数 :地上5階、地下2階建
設計者 :隈研吾氏・梓設計
施工者 :大成建設とな