フランス・パリのテロ、次はワシントン・ロンドン・ローマ?
過激派組織IS(イスラム国)は11月16日、シリアでの空爆に参加した国々はフランスと同じ運命をたどるとした上で、「われわれがパリ中心部を攻撃したように、アメリカを、しかもワシントンの中心を攻撃すると誓う」と、アメリカの首都ワシントンを標的にするなどと脅す動画をインターネット上に投稿した。
またフランス・パリのテロ以後、IS支持者はツイッターを通じて「今こそローマ、ロンドン、そしてワシントン」などの文を載せており、この文が「Paris in fire」というハッシュタグを付けて急速に伝播している。
ISはこれまでインターネット映像などでパリやワシントン・ロンドン・ローマなど西欧の主要都市をテロすると予告していた。
ISの報道官とされるアブ・ムハンマド・アドナーニは2015年3月「西側がISの領土を欲するならば、私たちはホワイトハウス・ビッグベン・エッフェル塔を爆破し、パリとローマ、アンダルシア(スペイン)を欲する」という音声ファイルを流布することもした。
ISはパリのテロが起きる4カ月前にインターネットに載せた動画で「パリを攻撃せよ」と扇動して「パリの街を死体で埋め尽くすだろう」と威嚇していた。
パリでは今月末、各国首脳が集まる第21回気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)が開催予定で警備が強化されていた。
それだけに政府施設に比べ警備が手薄な観光施設などのいわゆる「ソフトターゲット」を狙ったテロを防ぐ難しさを、今回の事件はまざまざと示した。