わかりやすい!アダムズ方式とドント方式の選挙制度と計算例について
選挙制度に関する話題で、議席配分の方式で「アダムズ方式」という方法が話題になっています。その「アダムズ方式」と、比例代表選挙で話題になる「ドント方式」について説明します。
アダムズ方式における選挙区の議席配分法
アダムズ方式とは、都道府県ごとの人口比に基づいて定数配分を決める方式です。
都道府県のそれぞれの人口をある数(d)で割り、出た商の小数点以下を切り上げて定数を決めます。
アダムス方式の計算例
【前提条件】
・議員の定数が8人
・A県の人口が140人、B県の人口が100人、B県の人口が60人
だったとします。
《計算例1》
ある数を d=50 としてみます。
A県:140÷50=2.8 配分数は 3人
B県:100÷50=2.0 配分数は 2人
C県: 60÷50=1.2 配分数は 2人
合計:3+2+2=7人 定数8人なので一人足りない
《計算例2》
次に、ある数を d=49 としてみます。
A県:140÷49=2.86 配分数は 3人
B県:100÷49=2.04 配分数は 3人
C県: 60÷49=1.22 配分数は 2人
合計 3+3+2=8人 ちょうど定数8人に一致
《結果》
各県の配分人数
A県:3人
B県:3人
C県:2人
ドント方式における比例代表選挙の議席配分法
ドント方式とは、各政党の得票数をそれぞれ1,2,3,4・・・と整数で割っていき、得られた得票数の大きい順に議席を配分する方式です。
参議院議員・衆議院議員の比例代表選挙などに用いられています。
ドント方式の計算例
【前提条件】
・議員の定数が8人で
・A党の得票数が140票、B党の得票数100票、C党の得票数60票
だったとします。
《計算例》
[ ]の中の数字は、得票数の大きい順を示しています。
政党名 | A党 | B党 | C党 |
得票数 | 140 | 100 | 60 |
÷1 | 140 [1番] | 100 [2番] | 60 [4番] |
÷2 | 70 [3番] | 50 [5番] | 30 |
÷3 | 46.7 [6番] | 33.3 [8番] | 20 |
÷4 | 35 [7番] | 25 | 15 |
÷5 | 30 | 20 | 12 |
当選者数 | 4人 | 3人 | 1人 |
《結果》
各政党の配分人数
A政党:4人
B政党:3人
C政党:1人